私たちの街
新型のウイルスが世界中で流行した。そのウイルスの致死率はとても高く、ワクチンはまだ見つかっていなかった。多くの人が死に、人々は感染を恐れて家から出歩かなくなった。しばらくして、そのウイルスが小さな隙間からでも入り込み感染することがわかると、人々は巨大なシェルターを作り、その中に閉じこもって暮らしながら、ウイルスがいなくなるのを待った。
すべての人がシェルターに籠もるようになってから、地震の数が急に増えた。シェルターは特別頑丈に作られていたから、壊れる心配はなかったが、それでも人々は自分たちの街がどうなってしまっているのか、不安そうに顔を見合わせた。
数ヶ月がたち、外気からウイルスがぱったりといなくなっていることが発見された。
「助かった。ウイルスのやつも感染する相手がいないんじゃ生きていけないんだろう。」
「ああ、シェルターでの暮らしはやっぱり不便だったからな。街に戻ればなんでもあるぞ。」
人々はそう口にしながらシェルターの扉をくぐった。
「なんだこれは。私たちの街が跡形もなくなって、荒れ地になってしまっている。」
「あれだけ地震があったからな。街はきっと津波にでも流されてしまったのだろう。仕方ないさ。」
「これをすっかり元の街に戻すのに50年はかかるぞ。」
人々はがっかりしながらも、街をもう一度作り直すための仕事にとりかかった。
それを遠くから見ていた宇宙人は、満足そうに頷きながら言った。
「しめしめ、またうまくいった。シェルターごと、地球によく似た惑星に運べば、やつらは何度でも街を作り出してくれる。数多くいる家畜動物の中でも、人間ほど熱心に働き続ける動物はいないからな。」
この星のはずれに、見覚えのない看板が建てられていた。
『売約済み。完成予定日50年後。』
ユーラシア横断の旅で毎日聴き続けたプレイリストを公開します。
僕は音楽にあまりこだわりがないですが、気に入った曲があると繰り返しそればかり聞きます。
2016年にスウェーデンから日本まで飛行機を使わずに帰るという旅をしたとき、一緒に旅をしていた友達のけけがプレイリストを作ってくれたので、ずっとそれを聴きながら旅をしていました。2ヵ月半の旅の間その数曲だけを毎日聴き続けたので、今でもその曲を聴くと訪れた街や通ってきた道のりの情景が蘇ってきます。
本当はこのプレイリストは自分とけけの間でとっておいて公開しないつもりでしたが、旅から4年たち、もう十分心の中に染み込んだなと感じたので公開することにしました。
これから旅に出ようとしている人や旅の気持ちを味わってみたいという人の役にたてばと思います。
1/6の夢旅人2002
旅といえば水曜どうでしょう。定番ですが、この曲を聴くと多少の不安があってもとにかくやってみようという気持ちにさせられます。
水曜どうでしょうはおもしろくて僕も大好きですが、観客として見ているだけではなく大泉洋になったつもりで自分自身で旅をするともっとおもしろいです。
想定外のことが起きたときに大泉洋のように"おいおいおい〜"と思わず言っている自分に気づき、たいがいのトラブルも笑ってしまえます。
タイプ:ワイルド
初期のポケモンのエンディングソング。タイプ:ワイルドってなんのことだよって子供の頃から思っていましたが、2ヵ月半毎日聴いてもわかりませんでした。
家を離れて次の街のジムでバッジをゲットしようとするサトシに、次の国の大使館でビザを手に入れようとする自分に重ねたりしてました。大使館ってだいたい門があって、大使もクセのあるおっちゃんが多かったのでなんとなくマッチしてたように思います。
0:31からの、 "あの頃すっごく流行っていたから買いに走った このスニーカーも
今では世界中 探しても見つからない 最高の ボロボロぐつさ"
という歌詞の通り、旅のあいだ履いていたスニーカーとサンダルは本当にボロボロになったので宝物として家に置いてあります。
The Nights
僕がスウェーデンに留学していた2015年はAviciiの絶頂期で、ストックホルム出身のAviciiの音楽は街のいたる所で流れていました。普段EDMを聴かない僕も、Aviciiの音楽にはメッセージ性を感じたのでよく聴いていました。
なかでも The Nights はユーラシア横断の旅のテーマソングとしてプレイリストの中でも特別な位置づけです。
"These are the nights that never die." という歌詞があるんですが、僕にも一生忘れない夜(The Nights)ができました。
あとPVがめちゃかっこいいのでぜひ見てほしいです。
The Days
同じくAviciiのアルバムからもう一曲。メッセージ性はThe Nightsと似ているんですが、曲調はもっと軽いので街をぶらぶら歩きながら口ずさんだりしていました。Aviciiの曲ってポップなのに、どこか寂しげなんですよね。
雨がちだったバルト三国で、長距離バスの窓から暗い街並みを見ながらこの曲を聴いていました。
I'm not the only one
スローテンポな "You say I'm crazy, cuz you don't think I know what you've done." という歌詞を延々と聴いていると、どれだけ移動しても自分がどこにも行けないような感覚になってきます。
ウクライナのオデッサで黒海を渡る船が出るのを待っていたんですが、その船がコンテナ船なので荷物の届く量次第で今日出るか、明日出るかわからない。朝に港に来ればわかるといわれ、毎朝通うものの今日も出ないその次の日もだめ。いったいいつになったらこの街から抜け出せるんだという不条理と、それをどこか楽しんでいる自分を感じながら、トラムとともに砂埃が舞い上がる街をそぞろ歩いていました。
Stay With Me
ワンナイトの関係のはずだったのにいつの間にか、彼女に離れてほしくないと思っている男の気持ちを歌った曲。
理性的に考えたらそんなのうまくいくはずないし、ナイーブすぎると思うんですが、合理的じゃない旅をしながら、"愛とは?" みたいなナイーブでセンチメンタルなことを毎日語りあっていた当時の僕にはすごく刺さりました。
毎日なにをするというわけでもなく知らない街を歩き回り、日が暮れたら500mLの地元の缶ビールを飲みながら、あてもなくゴールもない、生産性のことなんかこれっぽっちも気にしない議論を繰り返していました。
イージュー★ライダー
これも旅といえば定番の曲。 シルクロードを乗り合いタクシーでおっちゃんとともに渡っていたときは、ずっとこの曲が頭に流れていました。
"何もないな 誰もいないな 快適なスピードで 道はただ延々続く"
という歌詞の通り、ウズベキスタンのシルクロードは本当に見渡す限り何もないんです。ただまっすぐな道が終わりも見えないほど続いている。対向車もほとんど来ないから、おっちゃんも100キロ以上だしてがんがんとばします。朝からまるまる12時間以上運転して、その日の目的地のサマルカンドに着いたときにはすっかり夜になっていました。おっちゃんは昼ご飯と15分の仮眠以外一切車を止めることなく、一日中車を飛ばし続けました。サマルカンドの街の明かりが見え始めた頃にはおっちゃんの疲労が明らかで、車がめちゃくちゃ左右にぶれていて祈るような気持ちで後部座席でこの曲を聴いていました。
あの紙ヒコーキくもり空わって
独特のイントロから始まる、絶妙にせつない曲です。
この曲を聴くと一緒に旅をしたけけのことを思い出します。毎日毎日飽きもせずに二人で話し続けました。ビザの関係で数日だけ別行動した日を除けば、二ヶ月半の間、文字通り24時間ずっと一緒に過ごしました。一人の人間とこんなに長い間一緒に居続けることは、今後の人生でもうないと思います。たとえ結婚して奥さんと一緒に暮らしたとしても、仕事や買い物で一人で出かけるタイミングは必ずあるはずです。こんなに長い間顔を合わせていたら疲れたり喧嘩になったりしないかと思うかもしれないですが、けけの懐が深いのと僕がけけを好きすぎるおかげで全然問題になりませんでした。
ユーラシア横断プレイリスト
Spotifyでプレイリストを作りました。オリジナルの音源がない曲はカバーされてるバージョンをいれてあります。
このプレイリスト、全部でちょうど30分しかないので一日中繰り返し聴いていると気が狂いそうになります。そこを乗り越えて聴きつづけると、聴いているときの想い出とこの音楽が密接につながって記憶されます。
このプレイリストを聴いて、どこか知らない街へ行ってみたくなった人がいればうれしいです。
何者かになるのに疲れてしまったあなたへ。『車輪の下で』から受け取ったメッセージ。
二十歳を過ぎた頃から、自分は何者かにならなければいけないという感覚を抱えていました。せっかくここまで真面目に勉強していい大学に入ったのだから、社会に有用な人物とならなければいけないという使命感、もしくは責任感のようなものがのしかかっていました。それまで学校の勉強と一般的な娯楽しか知らなかった自分には、どんな人物になったらいいのか見当がつかず、色々なことを試してみました。学生団体の運営をしてみたり、海外を放浪したり、起業をしたり。どれも楽しかったし自分のためになったと思うんですが、しばらくすると「本当にしたいのはこれじゃない」という感覚が生まれてきました。
今はドイツで大学院生をして地理情報の研究をしていますが、僕は何者にもなっていません。何者でもない自分を認めるのは悔しくて、恥ずかしくて、もう何者かになった人やなろうとしている人を羨ましく思ったりもしました。
この本は何者かになることを目指す意味や何者でもない自分を見つめ直すきっかけをくれました。
あらすじ
『車輪の下で』の主人公ハンスも僕と同じような悩みを抱えています。彼の場合は一昔前のドイツの神学校という設定ですが、勉強に追われ、何者かにならなければならないという使命感を抱えています。
彼も社会の役に立つ何者かになることを周りに期待され、自分自身でもクラスメイトより勉強ができることに優越感を抱いて生きてきました。そんなハンスに人生で初めて親友と呼べる友人ができました。彼はそのことをうれしく思うと同時に、自分の勉強をする時間が取れなくなってしまったことを気にしていました。そんななか、その親友が学校を抜け出し退学になってしまいました。ハンスは親友に対してなにもすることができず、心を病んでいきます。
ハンスはもう優秀ではなくなり、何者かになることも諦めてしまいます。そして自分の出身の田舎町に帰りゆっくりと時間を過ごすと、今まで近くにあっても目に止まらなかった自然のすばらしさや、自分が馬鹿にしていた労働の尊さに気が付きました。
本から考えたこと
この本から僕が受け取ったメッセージは、何者かにならなければならないというのは、自分で自分自身にかけた呪いに過ぎないということです。たとえあなたが社会に有用な何者かにならなかったとしても、それであなたの人生は終わらないし、必ずしも何者かになる必要もありません。何者でなくても、あなたはあなただし、何者でもない"ただのあなた"でも変わらずに接してくれる人こそあなたが大切にするべき人たちです。あなたが何者かでなければ失望して関わりを失ってしまう人たちは、あなたの”何者かである”という属性に関心があるだけで、あなた自身という人間に興味があるわけではありません。
僕自身、何者かにならなければならないという焦りから、友達とくだらないことをして過ごす時間や、恋人とゆっくりする時間は非効率的だという考えを持ったことがありました。そういった馴れ合いは一種の娯楽でしかなく、"何者かになる"というゴールのための一時的な休憩なのだと考えていました。
しかし、目の前にいる自分の友人を大切にできないで、社会に有用な人になることに価値があるのだろうかと最近は考えています。もちろん社会をよくするために努力するのはすばらしいことだし、そのような努力をしている人をリスペクトしています。自分自身も努力を続けていこうとは思っています。僕が伝えたいのは、何者かになるという人生の一つの達成は、たくさんある人生の達成の種類のうちの一つであって、また、それはあなたの権利であって義務ではないのです。決してそれによってあなたという人間が規定されてしまうわけではないのです。
これはしばらくの間自分の中で葛藤していたことに対する現状の自分なりの考えです。同じような悩みを持った人の、考えるきっかけになればと思います。
"グーグルマップの社会学"を読んだ。地図とは自分が持っている社会へのイメージらしい。
グーグルマップの創業ストーリーを読んで、グーグルマップが社会にどういう影響を与えているかに興味が出たので、しばらく前にタイトルに釣られてポチっていたグーグルマップの社会学を読むことにしました。グーグルマップの創業ストーリーについての記事はこちら。
面白かったポイント
もともと社会を可視化するためのツールだった地図は、みんなが同じ紙地図を使っているうちは、同じ社会のイメージを共有することができました。しかし地図がデジタル化されることによって、多くの人は自分の周りのごく狭い半径と目的地しか見ないようになり、社会や都市の全体像を地図から学ぶことは少なくなりました。さらに、インターネットと同様にパーソナライズされた地図は、ユーザーが見たいものだけを見せるようになり(カフェをよく検索する人にはマップ上にカフェがたくさん表示されるなど)、同じ社会で生活していたとしても、その社会についての認識やイメージを一人ひとりが共有することが難しくなっています。その結果として、社会についてのイメージが共通のものから個人のバイアスによって偏ったものになっていき、社会にはあたかも自分の知っているもの(検索したことのあるもの)ばかりのような錯覚に陥ってしまうと著者は述べています。
このバイアスを調節するために、旅に出ることが重要らしいです。旅をして日常生活では出会わないもの= 今まで検索したことのないワード に出会い、自分の知っているものだけで構成されているネットの世界にノイズを入れる。そうすることによって、自分のネット世界や地図が広がって、新しい社会の捉え方ができるようになるとのことです。
感想
ネット世界がパーソナライズされて、見たいものだけ見せてくるというのは実感として感じていたけれど、それが地図にまで及んでいるのは著者に指摘されるまで気づきませんでした。自分の地図を拡張するために、知らない街に行ったり、自分と違う感性を持った人に会ったり、意識的にノイズを取り込みにいかなくちゃいけないと感じました。
社会という実体のない抽象的な存在を可視化するために、地図は社会の事象を記号化して私たちに示している。#グーグルマップの社会学
— Takayuki Ota / 太田 貴之 (@Taka__Ota) 2019年4月9日
地図を社会的的に捉えることは、「見えない社会をどう見るか」という問題に向き合うこと。
— Takayuki Ota / 太田 貴之 (@Taka__Ota) 2019年4月10日
社会を可視化するためのツールだった地図がグーグルマップになって、見たいものしか見ないという現象が地図にも起きると、社会や街のイメージが個人のバイアスに強く影響されるようになる。#グーグルマップの社会学
— Takayuki Ota / 太田 貴之 (@Taka__Ota) 2019年4月11日
“自分が見たいと思ったものしか見ない状況を変えるには、身体の移動が重要。旅をして意図的に環境を変えることで、これまで一度も検索してこなかったワードに出会い、ネットの世界にノイズを入れる”
— Takayuki Ota / 太田 貴之 (@Taka__Ota) 2019年4月15日
ほんとこれ。旅とまでいかなくても、リアルの世界に意識的にノイズを入れるのは大事。
ブロックチェーンの勉強を始めました。一歩目は、『ブロックチェーン入門』。
この本を読んだ目的
ブロックチェーンの技術を地理情報に使えないかなーと思って、技術的な面を勉強することにしました。勉強方法はgunosyがブログでまとめてくれていたので、これに沿って勉強していくことにします。
この本はその一歩目です。
ブロックチェーンは中央集権的なデータ管理を分散化させることができるのがメリットなんですが、地理情報関連の地図データとかGPSデータって、政府が管理してたり、数社の寡占状態だったりですごく中央集権的なので、ブロックチェーンで分散化できたらインパクトがあるんじゃないかとぼんやり思ってます。
面白かった内容と感想
- ブロックチェーンのポイントとなる3つの技術(データ構造、コンセンサスアルゴリズム、公開鍵暗号方式)について、わかりやすく解説してくれる
- その他のブロックチェーン関連でよく聞く用語(スマートコントラクト、ハードフォーク、オルトコインなど)についても、ざっくりどんなものかわかる
- ネット記事は仮想通貨のことについて書いてあることが多いけど、この本はブロックチェーンそのものの技術的な価値について説明してくれる
- 仮想通貨は供給量があらかじめ決められているので、需要によってのみ価値が決まる
- 世界中のマイナーのマシンパワーの51%以上が独占されると、ブロックがそのマイナーに独占される(51%アタック)
→仮想通貨だとその通貨の信用がなくなるから51%アタックをするメリットがない。でも、マイナーが地図データを変更できるシステムだったら、悪意を持って変更しようとする人がいるかも?
まとめ
ブロックチェーンの技術に興味があって、まずが全体像をざっくり知りたいという人の一冊目におすすめ。
『数学ガール 乱択アルゴリズム』は、無機質な数学の教科書が苦手だった人におすすめ。
この本を読んだ目的
アルゴリズムの勉強を基礎からやり直したくて数学ガールの乱択アルゴリズムを読みました。
アルゴリズムは大学の学部生時代にちょっと授業でやったことがあったけど、そのアルゴリズムを使うとなにがうれしいのかまでよくわかってませんでした。まずは概観をつかめる読み物をと思って調べたら、数学ガールは理系じゃない人にも優しいらしい。
タイトルから、お姉さんが優しく教えてあげる♡みたいなのを想像してたけど、そんなことはなく、高校生の主人公が放課後に女の子たちに囲まれながら数学の問題を解くという話でした。
面白かった内容と感想
- いきなり各種サーチやソートの解説に入らず、物語の中で「こんなことをコンピュータさんにやってもらうにはどうしたらいいんだろう?」という問いから思考錯誤を繰り返して徐々に正しい解に近づいていくので、考え方の道筋を学ぶことができる
- 数式の変換の際の省略が少ないので、数学の教科書でありがちな「なんで急にその形になった?!」ってなりにくい
- アルゴリズムの各ステップの実行回数から計算量を考えることができるので、「バブルソートは単純だけど遅くて、クイックソートは安定して速い」とかしか知らなかったのが、数式として理解できるようになる
- 10章の乱択クイックソートは数式が難しくて結果しかわからなかった
まとめ
これからアルゴリズムを勉強する取っ掛かりを探している人、学部の授業の説明では物足りなかった人、教科書の無機質さが苦手な人におすすめです。
Nianticの創業ストーリー。『Never Lost Again グーグルマップ誕生』の感想。
NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生 (世界を変えた地図)
- 作者: ビル・キルデイ,大熊希美
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2018/11/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なぜこの本を読んだのか
「Never Lost Again グーグルマップ誕生」を読みました。Pokémon GOを作ったNianticがグーグルマップを作ったベンチャーに起源があることは知っていたけれど、どういう経緯でグーグルマップを作ろうと思って、次にゲーム業界に行こうと思ったのか知りたくて読みました。
学んだこと
- Google は自社で地図データを作ったところがすごい。自社データだから変更にすぐに対応できる。Appleなど他社のマップはプロバイダーから地図データを買ってるから、変更に時間がかかる。
- ストリートビュー用の画像から、コンピュータビジョンで道路の中央線などの情報を抽出して、交通網のデータを作ってる。
- グーグルマップじゃなくて、グーグルアースが先にできた。
- グーグルマップは一度グーグルローカルという名前になって、グーグルマップに戻った。
- 最初はグーグルアースから始まったので商圏分析など法人が主な顧客だったが、徐々に一般市民にも使われるようになった。
- グーグルアースは便利だったけれど、ベンチャー時代はマネタイズにずっと苦労していた。
- 価値があることをやっているのをGoogleに認められて、買収されることで生き残った
感想
- 稼げるかどうかより、面白いかどうかを基準に仕事をした方が楽しい。
- でも、それで稼げるようになるには相当の努力と運が必要。
- 地図データの作成は、コンピュータで空中写真と既存の紙の地図を比べて、人力でコンピュータに空中写真を基にした正しいデータを入力していた。
→ バイトで地図データの入力をやったことがあったけど、ほぼ同じ作業だったので、Google もこういう泥臭い作業してるんだなあと思った。(もちろん外注してるんだろうけど)
まとめ
空間情報のビジネスに興味がある人、大企業に買収されたベンチャーの体験談を知りたい人、Pokémon GOの開発者がどういうルーツなのか知りたい人にオススメです。